緊急ブログ コロナウィルス感染 ー落ち着いて基本対応をー
当院を受診されるビジネスパーソンの多くが「新型コロナウィルス(COVID-19)」の蔓延に気が気ではないと訴えておられる。毎日感染者に関する報道が絶えない状況下では無理からぬことと思う。
ウイルスには約3,000種あり、そのうちヒトに病気をもたらすのは数百種と言われている。大別するとDNAウイルスとRNA(リポ核酸)ウィルスに分かれる。今回の「新型コロナウィルス」というのは、インフルエンザウィルスやHIVなどと同じRNAウィルスに属し、本来は軽い風邪症状しか引き起こさない。しかし、RNAウィルスは不安定で変異しやすいため、他の動物のコロナウィルスがヒトと繰返し接触することにより感染できるように変異することは十分考えられる。今回のウイルスは本来のヒト由来のウィルスではないため、感染すると人体に激しい免疫反応を起こしやすく、重症化することもあるわけである。
「新型コロナウィルス」は、インフルエンザと同じように飛沫感染するが、厄介なのは、無症状でウィルスを排出する事がある点だ。完治したはずの患者の糞便からもウィルスが検出されたという報告もある。しかし、現状罹患を明らかにさせる検査を受けることが容易ではない。PCRという遺伝子をコピーし増幅させて確認する方法しかないために手間取っているからだ。ただ、3月には新しい機器の導入によりスムーズに検査ができるようになりそうだ。
感染しないための対策は、要は風邪をひかないためにはどうすれば良いかと同じである。うがい、手洗いをしっかり行いウイルスの侵入を防ぐこと。加えて、バランスの良い食事と睡眠をしっかり取って免疫力を低下させないこと。エチケットとして、他者に咳をかけないようにすること。こうした風邪に対する基本習慣を守り、感染しないような生活をしていただきたいと願う。
伊藤 院長 2020年2月28日(金)記