治りにくい?!自家感作性皮膚炎⑵
2013-10-13
皮膚科
前回は自家感作性皮膚炎を疑う「いくつかの病院に行ったけど治らない」と訴える患者さんの原因病変確認と自家感作性皮膚炎の症状の特徴について書いた。
しかし、今回は「治らない」と訴えるもう1つの原因について述べる。それは至って単純な原因である。 治療し症状が軽快すると患者さん側の意識としては、「良かった。治った!」と当然ながら判断してしまうことにある。
実は「治らない」と訴える患者さんの中には 単に改善と再発を繰り返している場合もあるのだ。このような紛らわしい病気は皮膚科においては自家感作性皮膚炎に限らない。他にも全身に発疹が生じる疾患やそれらの発疹の原因がそれぞれ違うこともある。さまざまなウィルス感染症や薬疹、疥癬、急性痒疹などによるものであったり、それ自体の原因そのものが明らかでない症例も多い。
例えば、原因不明の場合に行う検査の1つに「パッチテスト」がある。これは患者さんに負荷をかけない簡易で安価な検査ではあるが、時間指定で何度かの来院が必要なため、その煩わしさから忙しいビジネスパーソンにはうまく利用されにくい。
以上のような要因が、「治らない」と言われる自家感作性皮膚炎の背景である。従って、外来では治療しながら模索することになる。
このようなことを理解して必ず「皮膚科専門医」を受診していただけたら良いと思う。