冷たい物の取り過ぎで起こる下痢のメカニズムについて
夏は冷たい飲み物や食べ物についつい手が伸びてしまう。
就業後冷えたビールで「至福のひととき」を得るビジネスパーソンも大勢おられるだろうが、つい飲み過ぎて翌日おなかを壊した経験をお持ちの方も多いと思う。今回はそんな時に起こる下痢のメカニズムについて書こう。
人の消化器官には通常1日9ℓほどの水分が通過する。その多くは小腸で吸収され、1ℓほどが大腸へ到達し排便時には0.2ℓほどしかない。
従って、水分を過剰に取れば小腸での処理が追いつかなくなり下痢ぎみとなる。
腸の働きは、胃の機械的な運動に反応した神経の刺激と内容物の温度による刺激、そしてガスリンなどのホルモンの刺激に影響されている。
例えば、小腸は食物が入っていない時は60〜90分毎の4分間程度の蠕動運動によって内容物を送り出している。食物が入ってくると不規則な蠕動運動を始め大腸へ食物隗を運び、その間に栄養や水分を吸収するというシステムだ。
大腸は、水分の吸収と便の通過・貯留および排便を担う。そして、この貯留と排便に神経ー筋肉の連携が関わってくる。
このような微妙な連携で消化活動が行われているため、この和を乱すとたちまち混乱し、その結果が腹痛や下痢になるとも言えるだろう。夏は胃腸に負担がかかりやすい。又はそういう機会が増える。
ビアガーデンにいる時に下痢のメカニズムまで考えては、せっかくの気分も台無しだが、何事もほどほどで、体調を整えて欲しい。
伊藤院長 2014.7.16記